感受性
感受性が豊か。芸術家をはじめ、物を作り出すには大事な要素だと思います。ちょっとした何気ない事からいろんな物を感じ取れなくては、作品を作りつづける事が出来ないからです。「そんなことで…」と私たちが思うような事、たとえば花を見て、空を見て、そんな事から。もちろんその後の想像力と表現力も必要でしょうけど。繊細な心が無いと難しいのでしょうね。
繊細な心の持ち主。私の知り合いに、「心のヒダ」と表現した人がいました。「~さんは、心のヒダが多いから。」きれいな表現だなと感じると共に、その方の独特の世界観も垣間見た気がしました。心のヒダの多い人は喜びや感動も多く感じると共に、苦しみや悲しみも多く感じるのでしょう。子供のような傷つきやすいピュアな心、ややチープな言い回しですが、繊細な心とはそういうものかもしれません。
繊細さと表現力
だからでしょうか、芸術家と呼ばれる人は良くも悪くも個性的な方が多い。内向的な方、攻撃的な方が数多くいらっしゃいます。そのせいか天才と呼ばれた方には、不遇な方が多いようです。幸せといわれる時期には、必ずよき理解者、伴侶の居た時期だったりしますし、伴侶を誤るとボロボロになってますね。まぁ、これは普通の場合でもそうですけど。案外天才って呼ばれる人は、私達より人間くさいのかもしれません。そう思うと、彼らをより身近に感じられませんか?。
突然マンガの話で恐縮なのですが、細野不二彦氏作「Blow Up」というのがあります。主人公はプロのJazz Musicanを目指す学生崩れなのですが、ある日一緒にバンドを組む”おっちゃん”が、世界的に有名なJazz Musicanを主人公のアパートに連れてきます。主人公は、初めはそれにいたく感動するのですが、色々あってそのMusicanのカッコ悪さ(少なくとも主人公はそう感じる)に、ついに”おっちゃん”に対して文句をつけ始めるのです。そのときの”おっちゃん”の台詞の中に、「彼を天才の一言で片付けるのは失礼だよ。彼以上の努力をし、それでも彼の足元にも及ばないとき、その人ははじめて彼を天才と呼べるんじゃないかな。」という意味合いの一節が出てきます。初めて読んだとき、いたく納得させられました。
鈍感な人は弱さとしか理解できない
繊細がゆえの苦しみ、繊細がゆえの悲しみ、そういったものが心のバランスを崩す。専門家の話によると、依存症になりやすい人とは「よく気の利く神経の細かい人」なんだそうです。俗に「なんであの人が…、」っていうパターンですね。神経が細かいがゆえに明るく元気に振舞い、明るく何を言っても平気な感じを人に与えるのですが、実は人の何倍も傷ついていたりするのです。
そういえば、芸術家、特にロックミュージシャンに薬物中毒が多いな…。