正体はお経
宿曜占星術とは真言密教に伝わる「文殊師利菩薩 及諸仙所説吉凶時日善悪宿曜経」(通称:宿曜経)という上下2巻の経文です。経文ですから当然宗教色も色濃く、「出家すれば吉」という事も書かれていたりします。
こんな宿曜占星術のルーツは、仏教と同じインドです。ある資料によれば、約3千年ほど昔、文殊菩薩により教えられた秘術であり、文殊菩薩にこの秘術を教えたのは釈迦尊であるとされています(釈迦が生まれたのは約2千5百年前ですから、すでに矛盾がありますが…)
実際の所、歴史に密教占星術(宿曜占星術)が登場するのは4世紀頃、インドの天文学者・バラー・ハヒミラ著「プリハトサンヒター」とい占星術の本が最古であり、宿曜占星術の原典とされています。
宿曜という名が歴史に登場するのは8世紀頃、不空三蔵が翻訳・編纂した「宿曜経」を中国に伝えてからになります。
実は40種以上ある
実は28宿を用いた密教占星術は「摩登伽経」をはじめ40種以上あります。その中でもホロスコープとして体系化が進んでいる物が、不空三蔵の編纂した、この「宿曜経」だったのです。
時は流れ、不空三蔵が亡くなたった30年後、中国に真言密教の開祖、後の弘法大師・空海が海を渡ってやってきました。空海は日本にある既存の腐敗した仏教を嫌い、密教と出会い傾倒していきます。そして「宿曜経」を身に付けていったのです(宿曜経の巻物自体は甥の円珍によって日本にもたらされたという説もあります)。